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【システム開発】発注者のための契約書の5つのチェックポイント

はじめに

前回は、契約の種類(契約形態)について説明しましたが、 今回は、契約書を作成する際に、 失敗しないための5つのポイントを紹介します。

後で、 「ああ書いとけば、良かった」 と後悔しないように、 問題になりやすい5つのチェックポイントを 確認していきましょう。

※ ポイントが分り易いように、法律用語は極力省いています。 実務においては、弁護士、法務担当者等と検討の上、作成してください。

①業務範囲

まずは、業務範囲です。

システム開発では、企画、設計、コーディング、テスト、検収といった、 一連の工程(プロセス)をもって、進行することが多いです。

契約書では、この工程の中の、 どの部分についての業務委託となっているのか、 しっかり確認してください。

また、工程によっては、一方ではなく、 両方の協力作業が含まれる場合もありますので、 そちらも記載してください。

著作権

著作権システム開発で問題になりやすいポイントになります。

法律的な原則論として、システムを作成すると、その著作権は、 システム開発会社になります。

しかし、それでは発注者は、 後々、そのシステムに機能追加をしたい、 新しい展開をしたい場合など、 そのシステム開発会社に承諾を得なければいけないような 状態になってしまします。

そうならないためには、システム開発完了とともに、 著作権の譲渡を含む契約にする必要があります。

検収条件

検収とは、システムが開発されて、納入された上での、 発注者側で、正しくシステムが動作するかという確認になります。 ユーザー受け入れテストをもって、検収を行うというケースが多いです。

ここで、問題となるのは、何を持って、OKとするかです。

スマートフォンアプリなどユーザー受け入れテストが終わった後に、 アプリのリリース申請があります。 (iOSは申請から、実際にリリースされるまでに1〜2週間ぐらいかかります) そのため、受け入れテストで、OKとするか、 リリースまで見届けて、OKとするか、 また、申請後にリジェクトがあった場合の対応について、 など事前に決めておくことが望ましいです。

一般に納品から、1週間〜1ヶ月ほどの期間をもって、検収作業をおこないます。 この期間についても、最初の納入日から起算するのか、 納品後の不具合があった場合は、最終納品日から起算するのか、 こういった部分も事前に確認をしておきましょう。

瑕疵担保責任

瑕疵担保責任とは、 システムに問題(欠陥)があった場合に、 システム開発会社が無償で 修正しなければならない責任を言います。

これについて、契約書では検収後xxヶ月まで、 という形で期間を明示します。 もし、この記載がない場合は、1年となります。 (民法上の規定)

ただし、システム開発では6か月ぐらいというのが、 多いようです。

発注者有利という観点でしたら、長ければ長いほど有利ということに、 なります。

⑤損害賠償

システム開発では損害賠償について記載します。

一般的なのは、契約額を上限として、 システム開発会社が損害賠償責任を負うケースです。

発注者有利という観点でしたら、 損害賠償額を無制限とするケースがあります。 ただし、これは発注側がかなり有利な立場に限られると思います。 また、実際問題として、無制限の損害賠償額を支払えるかという、 問題はあります。

さいごに

以上、発注者の目線で、 契約書作成のポイントを記載してまいりました。

ただ、誤解して頂きたくないのは、 とにかく有利な契約にすれば良い、という訳ではないことです

有利な契約で交渉するということは、 当然、受注者側ではその不利な条件を、 飲み込むという不利益を被るために、 金額やその他条件によって、 その穴埋めをしてくるはずです

これは、適正な価格で、システム開発プロジェクトを成功させたいという、 発注者の意図とは反し、本末転倒となってしまいます。

契約上の有利な条件というのと、システム開発費・保守費は トレードオフな関係にあることを理解してください。

そのため、譲れない部分は、譲れない部分として、交渉し、 不必要な部分については、無理に主張すべきではないでしょう。

例えば、弁護士などに依頼して、とにかく有利な条件になるような 契約書のドラフトをもってきて、 結果的に価格が倍近くに跳ね上がったみたいなケースもあります。

あくまで、自社のビジネス環境を考慮の上で、契約書については、 作成すべきでしょう。

なぜ、システム開発は必ずモメるのか?

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