ITごはん

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【事前準備】発注者のためのアプリ開発のポイント①

はじめに

スマートフォンアプリ開発は、 業務系システムやWebシステムといったほかのソフトウェア開発と 違って押さえておきたい、いくつかのポイントがあります。 そのポイントについて、以下の読者を想定として、複数回に分けてポイントをご紹介します。

想定読者

- 経営者、CIO/CTOなど開発プロジェクトの決定権を握る方
- プロジェクトマネージャ、ディレクターなどの開発の指揮を執る方
- その他開発に関わるエンジニア、デザイナーの方々

開発のフロー

まず、開発の流れ(フロー)を整理します。 一般に以下のような流れで、アプリ開発プロジェクトは進行します。

1.企画
2.設計
3.開発(製造)
4.テスト
5.リリース、プロモーション

開発手法として、ウォーターフォール型、アジャイルなどありますが、 基本的には上記の手順を、長い期間でまわすか、短い期間で何度も回すか、の違いです。

とりあわけ、気をつけていただきたいのが、 ウォーターフォール型だから失敗する、アジャイル型だと成功する ことではなく、あくまでプロジェクトの性格によって、 マッチする開発手法を検討してください

事前準備、および開発期間全般

上記のフローを一つ一つみる前に、プロジェクト開始前に考えること、 そして全フェイズを通して重要なことを説明します。

- ゴール、優先順位の決定
- コミュニケーション管理
- スケジュール管理
- リスク管理

ゴール、優先順位の決定

そして、全般において一番大切なことは、 プロジェクトのゴールを決めることです。

アプリ自体の仕様については、企画フェイズでしっかりと練ることになりますが、 「ユーザーに○○な体験を提供したい」 「このアプリで○○円の売り上げを上げたい、お客様を獲得したい」 等々あると思います。

そのゴールを実現する際の取り得るアプローチについて、 優先順位を決定しておくことです。

すべてのプロジェクトにおけるリソースは有限です。 当然、予算も、参加できる人数も、プロジェクト期間も限りがあります。 その限られたリソースについて、フル活用することが当然必要なわけですが、 納期、予算(費用)、品質、範囲(機能を含む)はいずれもトレードオフな関係にあります。

すべてをMaxにすることはできません。

もし、開発するアプリが、 市場の反応を伺うのための最小限の機能の製品(MVP:MostValuableProduct)であれば、 納期や予算の優先順位が高まるでしょうし、

強い競合がいる市場でしたら、充実した機能(範囲)で勝負をしかけるかもしれません。 いずれにせよ、このトレードオフの関係を理解し、 プロジェクトオーナーとの摺り合わせをおこない、プロジェクト関係者にも周知しておくことが重要です。

コミュニケーション管理

コミュニケーション管理とは、平たくいうと いつ打ち合わせをするとか、日常的にはどうやってコミュニケーションとる(メール・チャットなど) とか、コミュニケーション内容や決定事項を文書と管理するか(議事録など)、といったことになります。

アプリ開発プロジェクトは、多数の関係者により構成されます。 プロジェクトオーナー、プロジェクトマネージャ、プログラマー、デザイナー、等々です。

システムやアプリ開発は、目に見えた材料がない状態から、 頭の中のイメージを具体化する作業に他なりません。 そのため、関係者のなかの頭の中のイメージを、しっかりと 共有する必要があります。

そして、それができていない場合は、 努力してプログラムやデザインを作ってきたけど、使えないとか、 方向性が定まらず、プロジェクトが頓挫してしまうといった問題が 起こることがしばしばあります。

スケジュール管理

つぎにスケジュール管理ですが、 規模によりますが、アプリの開発は1ヶ月〜1年を超えることも珍しくありません。

その際に、 だれが、なにを、いつまでにやるを明確にしたスケジュールを作成することが重要です。 具体的にはWBS(Work Breakdown Structure)といった、スケジュール表を用意する必要があります。

リスク管理

つぎに、リスク管理です、 プロジェクトは往々にして、何事も問題がなく、当初の予定通り進むということはありません。

それは、スキル不足やコミュニケーションの失敗といった人的な問題、フタを開けてみて初めてわかった技術的な問題、 マネジメントの失敗など様々な要因で起こります。

そういった、問題が起こった際に、適切に対処できるかどうかが、プロジェクトを成功に導けるかどうかにかかってきます。 具体的にはリスク管理などで起こりうるリスクと、もしリスクが顕在化した場合の対応方針を事前に考えておきます。

管理ドキュメントは最小限に

そして、プロジェクト管理において、管理工数というのは馬鹿になりません。

プロジェクト管理のための方法論をまとめた、 経産省ガイドラインや、PMBOKなどで多数のドキュメントが提示されています。 これらは大規模プロジェクトを想定しているため、 アプリ開発においてはあまりマッチしないため、 必要と思われるドキュメント類を選別して利用するのが良いでしょう。 (逆にいうと、すべてのドキュメントを用意すると、やりすぎです。)

これにはプロジェクトの規模や特性、メンバーのスキルや経験によって、 ドキュメントとして、管理する範囲を検討しましょう。

PMBOK http://www.pmi.org/PMBOK-Guide-and-Standards.aspx

・共通フレーム2013(経産省の開発ガイドラインhttps://www.ipa.go.jp/sec/publish/tn12-006.html

便利なツール

最後に、プロジェクト管理の手助けしてくれるツールの紹介をします。 いずれも無料で利用できます。(機能が充実した有料プランもあります)

チャットワークは、皆さんご存じのLINEみたいな感覚で操作できるチャットツールです。 ただ、LINEとは違って、ビデオチャットができたり、 気軽にファイルアップロードして、メンバーに共有したり、 また、管理的にタスク管理もできます。

・チャットワーク https://www.chatwork.com/

つぎに、WBS作成の手助けしてくれるのはBrabio!です。 これもWeb上で直感的な操作でWBSを作成できます。 Excel形式で書き出しもできます。

・Brabio! http://brabio.jp/

さいごに

今回の記事は当たり前といえば、当たり前なのかもしれませんが、 いざ、炎上プロジェクトといわれるプロジェクトを見てみると、 上記の当たり前がないがしろにされていることが多いのも事実です。

次回は実際に「1.企画」フェイズのポイントについて説明します。